院長コラム
院長 古賀文敏 が不定期に書いているコラムです
2012.12.23
クリスマスカード
Merry Christmas!!
今年も1年大変お世話になりました。今は毎日不安な日々を送っておりますが、ここまで来れたのは古賀先生をはじめ、看護師の皆様、スタッフの皆様のお陰です。朝早くから夜遅くまで毎日忙しいのに、いつも笑顔で和ませてくれて、沢山の元気を頂いてます。今度こそ卒業できると信じて頑張りますので、もう少しだけおつきあい下さいませ。
このカードを送っていただいた方は、無事にこの1月に卒業されました。クリスマスカードを頂いて4回目となります。つまりここに4年通院されました。
以前通われたクリニックで6回の採卵を受けられるも、胚移植まで至ったことがなく、かなり治療に難渋することは予想され、初診の際に「2年間時間を下さい」とお話しました。確かに1年半で妊娠にようやく至ったのですが、その時は残念ながら流産でした。ちょうどその頃懇意にして頂いていたうちのスタッフが妊娠を機にやめたこともあって、かなり心細そうでしたね。流産後はほとんど卵がとれない状態で、FSHの基礎値もかなり上昇していました。(抗ミュラー管ホルモンは0に近そうだったので、検査していません。)夢では、私から治療の中断を宣告されたこともなんどかあったとか。
そうして今回まで、合計採卵13回、胚移植6回になりました。本当によく頑張られました。ここまで信じて治療に通われたことに本当に感謝です。
この方の受診のきっかけは、ホームページの患者様の声からでした。
先日その体験談のなかで「7回の流産を乗り越えて」を書いていただいたご夫婦が今年小学校に入学されるお二人のお嬢さんを連れて遊びに来られました。お会いするのは、出産以来でしたが、お二人の変わらないお姿とお子さんの成長された姿もみて、あの頃の思いがフラッシュバックしてきました。彼女の体験は私が開業を決意した頃なので、本当にこのクリニック設立の原点とも言えるものです。
確か開院した日は一日12人のスタートで、10日目頃には一日一人だけの診察もありました。通院される患者さんどうしが顔をあわせることなく、待合室で一人待っている環境は、私自身だけでなく患者さんもかなり不安になられたことだと思います。待ち時間退屈しないようにと沢山の雑誌を揃えても、すぐ番号をお呼びするものだから、「もう少し読んでもいいでしょうか?」なんて受付に言われることもあったとか。私が通院する立場だったら、体外受精など大切な治療をこの環境のなかで任せることができたか、信頼することができたか、かなり疑問です。でもそうした環境のなかクリスマスカードを送られた方は、信頼して治療を続けてこられました。最初の頃はスタッフがなかなか定着しなかった状況でも、続けてこられた。きっと「7回の流産を乗り越えられた」方々の力だったと思います。何よりも支えになってくれたことでしょう。あの方の妊娠、出産があったから、今回のメリークリスマスがある。そして本当に難しかったこの方の妊娠を通してもっと多くの方に喜びをもたらすことができるような気がしています。
サンタさんからの大きなプレゼントです。